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大阪高等裁判所 昭和58年(ラ)293号 決定 1983年9月26日

抗告人

立川一

大阪地方裁判所昭和五八年(ホ)第一〇二〇号宣誓後当事者の虚偽陳述に対する過料の制裁を求める申立事件(同庁昭和五一年(ワ)第四三七一号債務不存在確認請求事件の訴訟手続において被告山口しげ子ほか一名が宣誓した上虚偽の陳述をしたとして、原告であつた抗告人から民訴法三三九条による過料の制裁を求めた申立事件)につき、同裁判所が昭和五八年六月三〇日に職権発動をしないこととしてその旨抗告人に通知したのに対し、抗告人から抗告の申立てがあつたので、当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件抗告を却下する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

本件抗告理由は別紙のとおりである。

よつて判断するに、民訴法三三九条による過料の決定は、裁判所が職権をもつてなすべき裁判であつて、当事者には申立権はなく、当事者の申立てがあつても、それは裁判所の職権の発動を促すにとどまるものであるから、これについて裁判をする必要はないのであり、便宜上裁判所が職権不発動の旨右申立て当事者に通知することがあつたところで、それが抗告の対象となる決定又は命令に当たらないことは言うまでもない。

したがつて、本件抗告は不適法と言うほかないから、これを却下し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。

(荻田健治郎 堀口武彦 渡邊雅文)

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